ランの成長日記ー10 (2005/01/23 up)
 
2004−12−31 縄抜け名人
 朝余りにもうるさく鳴き、伸び上がって居間のガラス戸に手をかけたり、椅子やテレビの上に乗って外を見るので、リードに繋いで出してやった。リードの取っ手の部分を室内に置き、窓を閉めた。ランは窓のすぐ下に座っていて動こうとしなかった。それで安心してしばらく放っておいた。ガラス戸の下半分は曇りガラスになっているので室内からはランの姿は見えない。しばらくして突然がったという物音がした。外を見るとリードのひもが一杯の伸びて、ランがキュウイ棚のポールにリードを巻き付けてもがいている。次の瞬間、ランはリードから抜けて、車の下に走り込んだ。リードは輪が3個あって、左右の輪にそれぞれの前足を入れ、真ん中の輪に胴体を通す。胴体の輪はきっちりと胴体に沿うように締める。いつもはリードをはめるのに抵抗して大変なのだが、今日はおとなしくしていたので私一人ではめることができた。胴体の輪もきっちりと絞って胴体に食い込むくらいにしておいた。それにもかかわらず、抜けてしまった。抜け縄の天才だと感心する。
 この時もまた、妻と二人で追いかけ、最後にはスズメノカタビラをちらつかせておびき寄せて捕まえた。妻に抱えられて家に戻るランにスズメノカタビラを差し出すと、食べた。本当に好きなのだ。
 
 夜、2階で寝ていたランを、寒くてかわいそうだと言って、娘が階下に連れてきた。ファンヒーターの前の椅子に陣取った私の膝に乗せると、ランはお腹をべったとくっつけておとなしく寝込んだ。私はランの背中を撫でながら、焼酎のグラスを片手に紅白歌合戦のテレビを見た。2004年の締め括り。

2005−01−01 散歩、人見知り
 午後、余りうるさく外に出たがるので、リードをつけて外を散歩してみようと思った。犬のようにネコも散歩させることは一度やってみたいと思っていた。しかし、ダメだった。散歩どころか、玄関まで連れて行くのが大変だった。リードに入れると動かなくなる。引っ張っても寝そべったままだ。仕方なしに玄関までは寝たままのランを引きずって行った。何とか玄関先に出したが、そこに座り込みびくともしなかった。ランが特別なのか、ネコに共通する特質なのか。綱をつけての散歩はダメのようだ。
 あきらめてランを抱えて部屋の戻った。すぐに長男夫妻がやってきた。ランを抱えて玄関に出た。長男達の姿を見ると、私の腕から飛び出して、2階へ飛んで逃げた。
 夕食時もランは長男と嫁には寄りつかなかった。冷蔵庫の陰に隠れて2人から見えないようにしていた。嫁が立ち上がって近寄ると、「ニャーーーー」と、今まで聞いたこともない長く尾を引いた鳴き声を上げ、さらに「フッー」と威嚇した。なかなか慣れなかったが、夜遅く帰る頃にはネコ好きな長男や嫁に抱かれるまでになっていた。しかし、いつでも飛び出したいとった不安顔だった。
 
2005−01−02 運動会、法界坊
 滞在中の母に2階の寝室を譲ったので、私は一昨日より下の8畳に寝ている。ランが私の足下の毛布の上で寝る。今朝、起き出したランが運動会を始めた。常夜灯がつけてあるのだが、その蛍光灯から垂れ下がった紐スイッチに一人で飛びついて遊びだしたのだ。部屋の隅から勢いよく走ってきて、スイッチに飛びつき逆サイドに駆け抜ける。それを何回も何回も繰り返す。私も妻も起き出すのが面倒なのでそのまま放っておいた。そのうちランはスイッチを引っ張って灯りを消してしまった。ふすまの隙間を通して廊下より漏れるわずかな灯りのもとでも、スイッチへのジャンプはやめなかった。そのうち妻が起き出して、室外に出してしまった。
 
 昼間外に出しておいたら、リードから2回も抜け出てしまった。終戦直後に見た映画の1シーン。榎本健一扮する悪党坊主、法界坊ががんじがらめに縛られ、釜ゆでの釜の中に入れられるのだが、いざというときふたを取ってみたら、釜は空であった。「法界坊は縄抜けの名人であったことをお忘れか」とエノケンが大見得を切る。ランを見ていてそんなシーンを連想した。
 夕方はソファの上でよく寝ていた。朝からの奮闘で疲れたのだろう。
 家中が振り回され、また、家中でおもちゃにしている。


  妻が年賀状に使ったランの画像

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