 |
| ブドウ畑の中にある「キュイエット 」 |
雰囲気がいいのとリーズナブルな料金で洋食ではおすすめナンバーワン。
まずロケーションがいい。山登りのバイブル「百名山」の深田久弥の終焉の地は茅が岳(かやがだけ)だが、その登山口から ふもとにかけてゆったりとリンゴやサクランボ、そしてブドウ畑などの果樹農園が広がっている。
その真ん中にこの店はある。スレートや石積みのヨーロッパ農家風の建物が「キュイエット」(La cueillette)だ。
「cueillette」というのはフランス語で果実・花などの「摘み取り」とか 「収穫」といった意味だ。「la cueillette des pommes」は「リンゴ狩り」。「pommes」を「truffes」にすると「トリフ狩り」。この台地にはトリフ以外は果樹とか野菜とか「cueillette」対象の大地の恵みはどっさりある。
だから、前菜には周りで採れる無農薬野菜をサラダに、ブルーベリーや桃をデザートにあしらう。 個室2室と30席ほどのテーブルがあるが、どこからも窓の外に広がるブドウ畑と、その下の甲府盆地の西の端にあたる町並み、その上に南アルプスの山並みが展開する。 「山々の上に月が上がり、その左手に富士山が見えた時は感動しました」とサービスの若い女性。すぐ隣の須玉町の出身で山には慣れているのだけど新たな感動があるという。
テーブルのすぐ前からブドウ畑が広がっているので、ハウスワインがありそうだと聞いたら、あれは生食用の 「巨峰」で、母親が世話をしているのだそうだ。オーナーシェフの山田真治さんは東京・横浜で修行をし、甲府では有名なフランス料理店「ベルク」で8年間料理長を勤め、さらにフランスに行きシャンパーニュ地方でも勉強した。 その田舎の雰囲気にあこがれ、2003年5月、38歳の時、実家が所有していたこの地で開業した。レストランのすぐ裏が自宅だ。
フランス料理が基本だが、こだわらずに食材とアイデアしだいで日本、アジア、イタリアなどさまざまなエスニックに変貌する創作料理の店といったところ。昼も夜もコース料理だけ。といっても、ランチは「A」(2400円)、「B」(3000円、 「C」(4000円)。 ディナーは「メニューA」(4200円)、「メニューB」(5500円)、「メニューC」(8000円)。安いと思う。
訪れたのは夏だったが、その日の「メニューA」は、
◎アミューズグール(一口前菜)
◎オードブル(・車海老と帆立貝、 生ハムのムース・フォアグラが入った牛テールのテリーヌ・フランスランド産フレッシュフォアグラからセレクト)
◎スープ
◎メインディッシュ(・鮮魚のポアレ・オマール海老のグリエ・ブルターニュ産鴨胸肉ロースト・黒豚ばら肉の柔らか煮・仔羊背肉のソテーからセレクト)
◎デザート(・桃のスープとバニラ風味のアイスクリーム・マスカルポーネのムースとライチのジュレ・季節のフルーツと3種のアイスクリームの取り合わせからセレクト)
◎コーヒー・紅茶(エスプレッソ、紅茶9種からセレクト)
◎プティフール(小菓子)
これで充分という量だった。「メニューC」は「宮城県産はさま牛ヒレ肉(150グラム)のグリエ」となるくらい。 味のほうも、それほどのグルメではないから説明不足だろうが、「素材の味が出ていて、結構」だった。
少し前といっても10年はたつが、ヘルシー志向でフランス料理のくどいソースが敬遠されるようになった。来日した三ツ星シェフのポール・ボギュースなどが日本料理を見て「ヌーベルキュジーヌ」(新しい料理)運動を提唱した。むずかしいようだが、 なに、肉や野菜の味をソースに頼らずそのまま生かそうということで、日本では昔から割烹の基本である。
「キュイエット」では近在の野菜や果物をそのま ま出していて、「ヌーベルキュジーヌ」など、とっくに実践している。たとえば野菜は、すぐ近くの高根町(清里)の無農 薬栽培の農家から仕入れているし、果物も庭先の農家や近在からといった至近距離である。安くておいしい所以(ゆえん)だ。
| 【 営 業 】 |
| 営業時間 |
11:30〜14:30
18:00〜21:00 |
| 定休日 |
火曜日 |
|
| 【 アクセス 】 |
・クルマだと中央道・韮崎ICを出て右折、最初の信号を右に入る と「茅が岳広域農道」だが、その100メートルほど先。
・中央線韮崎駅よりタクシーで10分。
・別掲のそば屋「瓢亭」のすぐ上になる。
・駐車場は30台分ほど。
|
|