2017年1月  課題:「メール」


メールなしでは


 朝起きたら、食事を済ませ、テレビの朝ドラと旅番組を見た後、パソコンの電源を入れ、まずメールを開く。洗面はその後。これが毎日の日課である。

 元旦から10日までに届いたメールは213通。ほとんどがヤフーやアマゾンなど私がユーザー登録したウエブサイトから送られてくるもの。見ないで開封済みにしてしまうことが多い。個人からのものは30通。これには必ず返事を出す。新年の挨拶、あかつき句会の選句報告、新年会の案内、知人からの映画や歴史研究会への誘いなどであった。

 私が電子メールを始めたのは20年前だ。当時は「メル友」と呼ばれたごく限られた相手とのメール交換だった。今では「メル友」という言い方も聞かれないほど、メールが普及し、友人知人でメルアドを持っていない人は数えるほどしかいない。定年後、色々な会の世話役を引きうけ、それが老後の生き甲斐の一つとなっているが、以前なら案内状を書いて、各人に発送し、返事をもらうという手間があった。それが今では、例えば年2回行う大学のクラス会の案内も、30数名が全員メルアドを持っているので、1本のメールをしたため、一斉メールという素晴らしい機能を使ってワンクリックで瞬時に送ることができる。その他友人同士の飲み会、エッセイ教室や句会、自治会の連絡事項などすべてメール。

 パソコンを使った電子メールでは添付ファイルとして文章や写真を送ることができるのも大きなメリット。NHK文化センターの下重暁子のエッセイ教室では、2年ごとに『あかつき』という作品集を出している。一昨年、久し振りに編集を担当したが、編集作業にはメールをフルに活用した。各人の原稿は電子データとして、メールで送ってもらい、書式を統一した後、添付ファイルとして他の3人の編集委員に送り、用語や表現の不適なところの指摘など、編集委員間の意見交換および編集委員と執筆者間とのやりとりは、すべてメールで行った。以前のように、プリントアウトされた原稿に朱を入れて執筆者とやりとりすることはなかった。

 昨年2月から、エッセイ教室の有志でメールを使って「あかつき」という句会を始めた。各人が3句ずつ投句し、それを皆で互選し、選んだ句にはコメントを付ける。元受講生も含めて参加者が15名を越えた。毎月、投句は私の所にメールで送られ、それを作者を伏せて一覧にして全員に送り、選句してもらい、結果をまた全員に送り返す。投句や選句コメントの整理は、マウスを使ってコピーアンドペーストだからそれほど手間ではない。紙もボールペンもまったく使わない句会である。俳句は初めてというメンバーが多いが、皆熱心で予想以上に盛り上がっている。毎月25日の投句締め切り日と、翌月の2日の選句締め切り日には、私は一日パソコンにへばりついメールを待っている。

 今月から、私が属するもう一つの句会「オリーブ」のメンバー4人で、メールによる連句をやることにした。このエッセイを書いているとき、発句が届いた。脇句を付けるのは、亭主である私の役目。これから一ひねりせねば。    
 

   2017-01-18 up


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