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壁 掛け型PCケースの製作

自作PCケースを紹介するページです。

自宅では 玄関に 19 inch ラックを置いてあり、これはこれで如何にもコンピュータらしきかっこよさがあるのですが、家族には不評で玄関に追いやられていることからもわかるとおり、 日常生活との相性は?です。

そ こで、本棚を作るという建前で PC ケースも合体させてみました(実態は本棚つき PC ケースのような…)。鉄道模型をやっていた影響で、金属プレスやフライス盤を使用した加工もつかいましたが、結果的にはこれらの工具を使うことが目的だっ た気がしなくもないので、なくてもできると思います。



コンテンツ

  1. デザイン
  2. 構造設計と冷却
  3. 材質と防音・不要輻射
  4. 製作例
  5. 使用感
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デザイン

本 棚が主体ですので、棚らしいデザインをベースにしました。

5インチのドライブを搭載することを考えると最低でも奥 行きが 20cm 必要になります。棚部分より PC 部分のパネルを前面に飛び出す形にすることにして、20cm 幅の化粧板で基本構成を作ることにしました。

Design

写真は作った当初の もので、まだ PentiumIII でテスト運用中のものです。

本棚といいつつ、Mixer など本以外のものが多いのではないかという突っ込みは禁止です。

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構造設計と 冷却

音 を気にしないサーバと異なり、生活空間においておく PC では、それなりに騒音対策も考えなければなりません。しかし、近年のはやりの静音化ようにあまり考えずにファンの数や回転数を減らすと悲惨な結果が待って います。特に最近では PC の電源は落とさないのが普通でしょうから、冷却は真っ先に考えないといけません。

私 の場合、基本的な静穏化のポリシーは熱源の分散です。

元々、PC ケースは CPU や GPU, HDD などのドライブ類さらには電源など、複数の熱源があります。これらを同時に冷却しようとするとどうしても熱容量と熱媒体の流量が必要になるため、ケースが 大型化しファンなどの騒音も大きくなります。

水冷で室外に放熱というアイデアもあったのですが、2次冷却系ができ る分複雑化しメンテナンスの負荷や故障率が高くなることと、ポンプの品質や騒音の情報を十分集められなかったことから、シンプルな空冷に決めました。

そ こで、製作したケースでは

  1. 電源
  2. Main Board に搭載するもの (主な熱源は CPU, GPU, Disk I/F)
  3. HDD
  4. HDD 以外のドライブ類

の4つに熱源を分割して、それぞれ冷却する構成にしています。

最 初の写真を見るとわかると思いますが、上から順に 電源部、Main Board 部、ドライブベイ部の3ピース構造になっており、HDD は Main Board 部内に仕切りを設けて設置しています。

また、あまり入り組んだ構成にするとメンテナンスが 悪くなりますので、基本的に前側からドア型に開けられる構造にしています。

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材質と防 音・不要輻射

デザインを決めたら構造部の材料を決定する必要があります。今回は本棚の一部ということもあり、木 材(化粧板)で一体化することにしました。木材はそれなりに重さもあり、ビビリ音や摩擦音もしませんので、静音化にも悪くはないでしょう。

但 し、PC は相当のノイズを出しますので、不要輻射には注意が必要です。今回は防音を兼ねて内部に合成ゴムのシートを貼ることにしましたので、木材とシートの間にア ルミ板を、シートの内側にパンチング穴を開けたアルミ板を使用しています。

MainBoard

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製作例

製 作したケースの内部です。HDD 部の分離構造が見えるかと思います。HDD 部は前に倒せるようになっており、そうすることで PCI ボードにアクセスできるようになっています。

Main Board を固定するベースと PCI ブラケット固定部、Drive Bay はプレスの打ちぬきで製作しました。細かい点を気にしなければ、引き出し式のケースの引き出し部分のみを流用すれば手軽です。

抵 抗の少ない右側の排気 (電源部, Main Board 部およびドライブベイ部) には軸流ファン、抵抗の大きい HDD 部および Main Board 上部の排気にはシロッコファンを使用しています。

フロントパネルはアクリル板に裏から塗装としまし た。必要に応じてシールド用のアルミ版と、防振・防音用の合成ゴムシートを貼っています。


Case

Bay

現在はテストランを終え、以下の構成でメイン のデスクトップマシンとして稼動しています。CPUファンの強化に伴い右側の排気系の形状が多少モディファイされています。

Current


Panel
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使用感

お おむね気に入っていますが、HDD を前面に持ってきたせいでドライブによっては前面パネルと共振する場合があるのが失敗でした。現在使用中の ST3500630AS ではまったく気になりませんが、HDD の乗り換えには気を遣います。

放 熱性能は、今のところ十分で問題も発生していません。Opteron 180 フル稼働で CPU 38℃、ケース内 40℃程度で落ち着きます。試しに Opteron280 Dual CPU を詰め込んだらさすがにつらそうでしたが、それ以外では障害が出ることもなく元気に 24 時間稼動を続けています。

ち なみに、玄関のサー バの方は、エアコンの故障で温度上昇したせいか電源が Fail し、Opteron 885 2個と RAID カードを道連れにしてお亡くなりになってしまいました。やはり、大きな廃熱を強力に安定して冷やすというのは難しいです。現在は 8CPU を 4CPU に縮退してなんとか運転していますが、このサイトのコンテンツもかなり失われてしまいました。 (どのページも微妙に文章が薄いのはそのせいです…多分)

皆 さん電源の選択は、障害時の安全性にも気をつけましょう。有名な「てらさんのゴミ箱」なんかを見ると幸せになれるかもしれません。不安になって眠れなくな る可能性もありますが…

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Last Update Oct.09/2006
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